スマートフォン用精子観察キットを使用し、自宅で簡単に精子観察が出来る時代になりました。ここでは私が実際に研究でも使用してる、TENGAメンズルーペを使用し、観察・確認する際のコツや基準をお話させていただきます。
男性妊活としては、まずは自分の精子が正常なのかを知りましょう。精子観察キットはご自分で診断までは出来ませんが、一般的な基準よりも精子の数が少ないかも?ぐらいを自宅で簡単に知る事ができます。
ただしあくまでも自己観察は簡易的な方法になりますので、心配な方は専門機関の精液検査をお勧めします。そこで、精子の数や運動に問題がないかどうかを調べ、精子の数が少なかったり、運動が悪かったりする場合には、生殖補助医療(不妊治療)が必要になる事があります。

TENGAメンズルーペを使って
精子観察をしてみよう!

TENGAメンズルーペの使用方法は、ルーペレンズ(小さな拡大レンズ)の付いた本体を、スマートフォンのカメラに貼り、精子を垂らして見るだけなのでとても簡単です。
しかし鮮明に観察するにはコツが必要です。
TENGAメンズルーペはスマートフォン用アプリ(iOS用)もあり、そちらを使用するのも観察のコツなどが詳しくわかり、さらに数値の解析も可能です。
*android版のアプリは現在ありませんが、スマホのカメラ機能を使った精子の観察は可能です。

※アプリに関してはこちらをご確認ください。

①光のセッティング

光のセッティングが一番重要です。

  • 部屋の照明は消してください。部屋に複数照明がある場合、色々な角度からカメラに光が入り込み観察がし難くなります。
  • 単一の光源(スポットライト)を、直接スマートフォンのカメラに向けて照らす方法がお勧めです。
USB給電タイプのLEDライトも使いやすいです。
100円均一でも販売しているのをよく見かけますので、入手もし易くお勧めです。
画面が明るすぎて何も見えない時は、画面をタッチしてピントを調整したり、スマートフォンと光源の距離や角度を変えながら、よく見えるポイントを探してみてください。
②精液を液状化させる
射精直後の精液はドロッと半固形化しているので、10〜20分程度放置することで精液が液状化し、採取・観察し易くなります。10〜20分経っても変化が無い場合は、サラサラになるまで少し放置しておくと良いかもしれません。サラサラになったら、採取容器を揺らして精子の濃度が均一になるように混ぜます。
※稀に30分経っても液状化しない人がいます。
③観察に使用する精液の量

プレートにのせた精子の雫に厚みがありますと、観察がうまく出来ない場合があります。その場合は、精液を薄く伸ばした方が観察がし易くなります。

精液が濁っている場合も観察がし難い場合があります。別日に再トライしてみましょう。

自分の精子がどれくらいの状態なのか、参考の動画と比べてみてください。

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メンズルーペ撮影参考動画

うまく観察が出来るとこのように動画が撮影できます。

iphone7 乏精子症(中度)
精子濃度:790万匹/ml 運動率:67%

iphone7 乏精子症(軽度)
精子濃度:1510万匹/ml 運動率:45%

iphone7
精子濃度:3590万匹/ml 運動率:83%

iphone7 精子無力症
精子濃度:3500万匹/ml 運動率:20%

【自然妊娠した方の平均に近い状態】
iphone7
精子濃度:7700万匹/ml 運動率:58%

精液量の測り方。

液状化した精液を、採取計量カップの計量部に移動させます。

1.5ml以上というのがWHOの基準となりますので、それ以下の場合は少ない可能性があります。

液状化していないとスポイトで吸い取りづらいため、完全に液状化するまで10分〜20分程度放置して下さい。

精子の数え方。

  • 1秒の動画を撮影、または長く撮影した動画から1秒間分を切り取ります。
  • 1秒間の動画を観察しながら、頭部にフォーカスのあっている精子の数をカウントします。
    ※動いている精子、動いてない精子両方を数えます。

カウント例1

フォーカスの合っているもの合ってないもの×

カウント例2

フォーカスの合っていないもの×それ以外をカウント

精子運動率の求め方。

  • 数え方を参考に、フロントカメラで撮影した動画の精子全体をカウントします。
    ※動いている精子、動いていない精子の両方を、別々にカウントしてください。
  • 動いている精子の数と、動いていない精子の数を足し全体の精子数を出します。
  • 以下の計算方法によりで精子運動率が求められます。
    [動いている精子の数]÷[全体の精子の数]× 100

計算してみる!

動いている精子の数
全体の精子の数
 
計算実行

0

この数値が40%以下の場合は妊娠しづらい可能性があります。
泌尿器科などの専門機関で、精液検査を受けることをお勧めします。

男性不妊専門外来のある医療機関のリストです。